【無線で学ぶF1週末英会話】エミリア・ロマーニャGP 「チーズボール」??

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F1が14年ぶりにイモラに戻ってきたエミリア・ロマーニャGP。
オーバーテイクが難しく単調なレースになると言われていましたが、いい意味で期待を裏切ってくれました!

「メルセデス、7年連続のコンストラクターズチャンピオン」
「ハミルトン、”奇跡”のタイミングでバーチャルセーフティカー?」
「ラッセルのポイント、砕け散る……」

ドラマもたくさんあり、ドライバーたちも興奮していたようで興味深い会話がたくさんでした
今日もそんなドライバーたちの無線からいくつか役立つ(?)フレーズをご紹介します!

※F1を見た後は無線の復習も欠かさず行いましょうね(笑)

Max's Blowout, George's Safety Car Spin And The Best Team Radio | 2020 Emilia Romagna Grand Prix
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フェルスタッペン「SEND IIIIIT!」

今回最初に取り上げるのは1分15秒からのフェルスタッペンの無線から。

レース序盤からフロアにダメージを負いペースが上がらないボッタスがついにミス。
その隙を見逃さなかったフェルスタッペンが最終コーナーでピッタリ後ろにつけます。
DRSを使ってホームストレートで並びかけ、1コーナーアウトサイドから綺麗にオーバーテイクしました。

そんなフェルスタッペンがオーバーテイク後に発した一言。

SEND IIIIIIIIIIIT!

サインツもいつかこの「Send it」を使っていましたよね。

Send it」は実は比較的最近流行っているスラングです。

直訳すると「それを送る」ですが、レース中にそんなこと言う訳がありませんね。

こんな時は辞書の定義を見てみましょう。

Knowingly and willfully pursuing a high-risk course of action with reckless disregard for potential consequences.

(結果を顧みず無謀でハイリスクな行為を進んですること)

Urban Dictionary, https://www.urbandictionary.com/define.php?term=Send%20It

つまり、ずっと躊躇していてオーバーテイクできなかったボッタスをリスクが高いアウトサイドから抜いたことに興奮していたのでしょう。

最近の若者はよく使う言葉なようなので、何かかっこいいことをするときに言ってみるといいんじゃないでしょうか。

例 : I didn’t study at all for today’s test, but I’m just gonna send it!
訳 : 今日のテスト対策はなにもしてないけど、とりあえずやってやるよ!

ハミルトン「Delta, Delta, Delta・・・・・」

2分10秒から始まるハミルトンとエンジニアのやり取りから。
こちらは英会話の表現ではありませんがF1用語としてご紹介します。

SCが導入され、タイヤ交換の絶好のチャンス、ハミルトンのエンジニアがピットインするように命令します。しかし、ハミルトンはピット入口を通り過ぎてしまい、ピットインのタイミングを失います。

そんなハミルトンにエンジニアから以下の無線が届きます。

Delta. Delta. Delta. Delta. Delta. Delta.
Lewis let’s… keep on your delta.

デルタ、デルタ(以下略)
ルイス、デルタに注意して
と、いった感じですがいったい「デルタ」とは何なのでしょうか。

デルタはギリシャ文字の「Δ」で、数学を勉強したことがある人にはなじみ深いですが、「変化量」や「ある数値との差」を表す記号です。この場合のデルタとは、基準となるラップタイムからの差を表しています。

SC中は各車スローダウンしなければなりません。したがって基準のタップタイムより速く走行しすぎるとペナルティの対象となってしまいます。

ハミルトンはピットのタイミングを失って焦ってしまい、かなり速く走っていたと考えられます。だからチームから「デルタに注意して!」と言われてしまったんですね。

ピットアウトの際のステアリングに注目するとピットアウト直後は「0:00」と書かれていますが、1コーナー付近で大きな数値になっているのがなんとなく見えますね。おそらくこれがデルタです。「デルタ」とはこの数値が「0:00」に近づくように走れという命令だと推測できます。

リカルド「Holy Mac’n’ Cheese Balls.」

最後に4分30秒から始めるリカルドのレース後のコメント。

ニュルブルクリンクでの表彰台に続いて今シーズン2度目の3位表彰台を獲得したリカルド。
レース終了後、エンジニアと喜びを分かち合います。

エンジニアから「よくやった!」とのコメントがあった後のリカルドの発言です。

Holy mac’n’ cheese balls.

Mac’n’ cheese」は「マカロニ・アンド・チーズ」という料理です。
欧州では子供に大人気な下の図のような料理です。
グラタンっぽい料理と言えば日本人にも伝わりやすいでしょう。

マカロニ・アンド・チーズ

でも、決してレース後の疲労時に食べたくなる料理ではありません。
なぜこんなコメントをしたのでしょう。

英語には「Holy shit!」「Holy Christ!」という表現があります。
なんてこった!」なんてニュアンスで使いますが、前者は下品、後者はキリストと言っているだけあって宗教的に聞こえることもあります。

こんな時、誰も不快にさせないように驚きを表すとき「Holy moly」「Holy mac’n’ cheese」と言うことがあります。
実はHolyの後にはいろいろつけることが出来て、地域やその人によって様々な表現があります。

今回のリカルドのコメントはさらに「balls」をつけてよりオリジナリティを出したということでしょう。
とてもリカルドらしくて僕は気に入りました(笑)

皆さんも、レース観戦中驚いた時に「Holy mac’n’ cheese balls」と叫んでみましょう!

例 : Holy mac’n’ cheese balls! Gasly has just won the ItalianGP!
訳 : なんてこった!ガスリーがイタリアGPで優勝しちゃったよ!

まとめ

F1にとっては様々な思い出があるイモラでのF1開催でしたが、チームラジオも楽しめたでしょうか?

今回はスラング的な表現を2つ取り上げました。
少し英語に慣れてきたときに使ってみると、ネイティブの人たちも笑ってくれるような表現でしょう。

それでは、次回のトルコGPでまたお会いしましょう!