ポルトガルGPの無線集はこちらから
バルテリ・ボッタス & エステバン・オコン「pay off」
動画1:13から始まるボッタスの無線から。
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
今年こそは、チームメイトのハミルトンとのチャンピオンシップ争いを期待されているボッタス。
第1, 2戦を終え、どうやら今シーズンも苦しい戦いが強いられるのは確実なようです。
いい形でシーズンをスタートさせることが出来なかったボッタスですが、ポルトガルGPの予選でようやく本来の速さを見せつけます!
7度のワールドチャンピオンであるハミルトンを抑えてポールポジションを獲得したボッタスに、チームからは労いの声が届きます。
Hard work mate!
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
「よくやったね!」
それに対してボッタスは嬉しそうに答えます。
HA! I told you it will pay off! YES! Feels good! Thank you.
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
「はは!(努力は)報われるって言っただろ!よし!いい気分だね!ありがとう。」
そして、実はもう一人、予選で最高のラップを決めて喜んでいるドライバーがいました。
それがアルピーヌのオコンです。(動画2:16~)
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
昨年F1復帰を果たしたオコンですが、チームメイトだったリカルドと比較しても優れた結果は残せませんでした。(サクヒールGPでの2位表彰台はありましたが…)
予選後、エンジニアが6位というアルピーヌにとっては最高の予選結果をオコンに伝えます。
Fantastic news Esteban, P6!
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
「素晴らしいニュースだよ、エステバン、6位だ!」
ようやく予選で一発のスピードを見せつけられたのがとてもうれしかったのでしょう、オコンもこれに答えます。
Good job guys! That is hard work paying off there, right there.
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
「よくやったよ、みんな!努力が報われたね。」
報われる、復讐する「pay off」
「pay」は今流行りのペ〇ペイでなじみ深い方も多いかもしれませんが、「お金を払う」という意味です。
また、「off」には「離れていく、なくなっていく」というようなニュアンスがあるので、それらを組み合わせることで「pay off」、つまり「清算する・皆済する」というのが一般的な意味になります。
しかし、ここで清算したのはお金ではなく、”努力”もしくは”苦労”であると考えると意味が通りますね。
ここでは「努力が報われる」とするとより自然な意味合いになります。
例:When Hamilton became the world campion, all his efforts from the childhood was finally paid off.
訳:ハミルトンがワールドチャンピオンになったとき、彼の幼少期からの努力がようやく報われた。
マックス・フェルスタッペン「Attaboy」
動画3:03からのフェルスタッペンの無線。
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
セーフティーカー後のリスタート、出遅れたハミルトンを1コーナー外側から交わすフェルスタッペンに向けてエンジニアが発した短い一言。
Attaboy.
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
「いいぞ」
知る人ぞ知るスラング「Attaboy / Attagirl」
なかなか見慣れない単語ですよね。
実はこれ「That’s the boy」の発音が変化したものらしいです。
(はっきり言ってどういう経緯で変化していったのかはまったく理解できませんが…笑)
つまり、男性に対して「よくやった!」というように褒めるときに使う言葉ですね。
※もちろん女性の場合は「That’s the girl」→「Attagirl」で同じ意味になります。
例:Attaboy, Bottas! He finally took a pole!
訳:よくやった、ボッタス!ようやくポールを取ったね!
ランド・ノリス「I’m flat out」
動画3:54からのノリスの無線。
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
レースも終盤に近付き、出来るだけ多くのポイントを獲得しようとプッシュするノリスにチームから無線が入ります。
Gap to Leclerc is 2.9.
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
「ルクレールまでのギャップは2.9秒だ。」
しかし、集中力マックスでプッシュしていたノリスにとっては耳障りな無線だったようでした…
Yeah, just let me drive. I… I’m flat out so… I’ll do what I can.
出典:Hamilton’s Confusion, Alonso’s Determination And The Best Team Radio | 2021 Portuguese Grand Prix
「あぁ、とにかく俺に運転させてくれ。全開で走ってるんだよ… 出来ることはやりきるよ。」
F1必須用語「flat out」
「flat out」は、F1に限らず自動車関連で頻繁に使われる熟語なので是非覚えておきましょう。
直訳すると「(完全に)平らな」という意味になりますが、車好きなら平らにしたくなるものがあるでしょう!
そう、アクセルペダルです!(安全運転を忘れずに(笑))
これはあくまで個人的な覚え方なのですが、筆者は「アクセルペダルを底まで踏んだ状態」と「全速力で走る」という本来の意味をかけ合わせて覚えています。
※あくまで個人的な覚え方で実際の語源はおそらく違います(笑)
繰り返しになりますが、つまり「flat out」は形容詞のように使って「全速力で」もしくは「完全に」といった意味になります。
もちろん、車関係以外にも使えるので例文では日常会話での一例を紹介します。
例:I believe flat-out that Tsunoda will be a world champion one day.
訳:私は角田がいつかワールドチャンピオンになるとても強く信じています。
おまけですが、オーストラリア英語(イギリス英語もかな?)では、「めちゃくちゃ忙しい」という意味にもなります。
ここで、オーストラリア英語の有名な(?)表現を一つご紹介します。
“Flat out like a lizard drinking”
直訳すると「トカゲが水を飲むように忙しい」。
つまり、トカゲが高速で下を出し入れしながら水を飲むように「とてつもなく忙しい状態」を意味するスラングです。
洒落てて面白い表現ですよね(笑)